この連載は、Tableau初心者向けの全20回講座です。
毎日1テーマずつ、サンプルデータを使って、データ可視化の基本をやさしく実践形式で学んでいきます。
第19回では、これまで作成してきたダッシュボードやストーリーを「見直す」「整える」ためのブラッシュアップ方法をご紹介します。 ただ作るだけでなく、見る人にとってわかりやすく、使いやすい作品になっているかを確認することが、データ活用の伝わり方に大きな差を生みます。 今回は、最終確認のチェックポイントを整理しながら、完成度をぐっと高めるコツをお伝えします。
- ダッシュボードやストーリーを見直す際のチェックポイント
- グラフやラベルの読みやすさ・わかりやすさの確認方法
- 意図が伝わる構成になっているかのセルフチェック
- フィルターやアクションの動作確認と改善方法
はじめに
これからTableauを始めたい初心者の方向けに、5月12日(月)から平日毎日1本ずつ、Tableauの使い方を学べる「1日1題」連載をスタートしました!
この講座は、読むだけでも楽しめる“読み物形式”の連載です。
「やってみたいな」と思ったら、無料で使えるTableau Publicを使って、実際に手を動かしながら学ぶこともできます。
なぜ“見直し”が大切なのか?
どんなに良いデータやグラフを使っていても、
- 情報の整理ができていない
- レイアウトが見づらい
- 意図が伝わらない
という状態では、ユーザーにとって使いにくいダッシュボードになってしまいます。
最終チェックでは、「伝えたいこと」と「伝わっていること」のギャップを埋める視点が大切です。
ブラッシュアップのチェックポイント一覧
以下のチェック項目を、ひとつずつ確認しながら調整していきましょう。
① タイトルと見出しは明確か?
- タイトルから内容がイメージできるか?
- フォントサイズや強調で、階層がわかりやすくなっているか?
👉改善のヒント:「何のためのダッシュボードか」がひと目で伝わるタイトルを意識しましょう。
② グラフは適切な種類か?
- データに合ったチャートを選べているか?
- 色や軸の設定に違和感はないか?
👉改善のヒント:比較したいのに円グラフを使っていないか? 棒グラフで伝わるか? を見直しましょう。
③ 操作性・インタラクションの分かりやすさ
- フィルターやアクションの使い方が直感的か?
- 説明がなくても操作できるか?
👉改善のヒント:使い方が分からない場合は「説明テキスト」や「ナビゲーションボタン」を追加すると親切です。
④ 色使いやデザインは統一されているか?
- 色の意味(カテゴリや強調)が一貫しているか?
- 背景やフォントのバランスがとれているか?
👉改善のヒント:「伝えたい内容を目立たせる」ための色使いを心がけましょう。 カラフルすぎると逆効果になることも。
⑤ ツールチップやラベルの情報は適切か?
- ツールチップに必要な情報が入っているか?
- 表示が重なって見づらくなっていないか?
👉改善のヒント:ツールチップは補足情報の宝庫。 見やすく簡潔に、必要な情報を丁寧に入れましょう。
⑥ ストーリーやページ構成に無理はないか?
- 順序立てて自然に読み進められるか?
- メッセージの流れに違和感はないか?
👉改善のヒント:読む人が「どういう順番で見たらよいか」が迷わないように構成を整えましょう。
ブラッシュアップは「使う人への想像力」
チェックリストをすべて終えたら、一度**“使う人の目線”で作品を見てみる**のが最後のステップです。
- 迷わず操作できるか?
- 説明がなくても意味が伝わるか?
- 目的に応じた意思決定につながるか?
こうした視点を持つことで、より親切で伝わるダッシュボードに近づきます。
ファイルの保存を忘れずに
ファイル→名前を付けて保存(保存:上書保存、名前を付けて保存:新しいファイルとして保存)
拡張子は.twbx
まとめ
ブラッシュアップは、「作品を仕上げるための最終工程」であり、「使う人に寄りそう視点」を育てる大切なプロセスです。 ひと手間かけて確認することで、データの価値をもっと届けることができます。
次回予告|第20回:Tableau Publicで作品を公開しよう
→次回はいよいよ最終回! 完成したダッシュボードを「Tableau Public」に公開する方法をご紹介します。 Web上で作品を共有し、社内外へ発信する第一歩を踏み出してみましょう。